あなたの心がなごむとき~第67章
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689 なご sage 2012/08/10(金) 21:46:21.12 ID:8z7Yjphg0
盆に休みが取れなくて、有給取って一足先に祖父母の墓を掃除してきた。

隣の墓にも掃除してるおじいさんがいて、

「死んでからも拭いてやらにゃいかんのかい。全くもう…」

とブツブツ言いながら墓石をピカピカに磨いていた。

その後水汲み場で一緒になって話した。
奥さんが早くに寝たきりになって、ずっと介護をなさってたらしい。

「皺くちゃの癖になあ、毎日化粧するんよ。
 誰か来たら恥かしいってよ。口紅ワシが塗ってやるんよ。
 今更恥かしい事あるかい、てなあ。化粧品たんまり余らせやがってなあ。
 ババアの面塗ったくったのより、今の墓石の方がよっぽど綺麗だっつうに。
 今だってまだ盆前だってのに、夢に出やがる。
 人来る前に綺麗にしてくれってよ。面倒くせえ女房だよなあ」

とまたブツブツ言いながら、そのわりに花は物凄く沢山飾って、
もうピカピカの墓を私が帰るまでずっと磨いてた。
よく見たら顔はニコニコしてた。

和んだというか、ちょっと泣きそうになった。

 
 
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