結婚に至った過程を思い出して語るスレ 4
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435 蕎麦 1 sage 2011/12/09(金) 18:03:34.39 
行きつけの蕎麦屋にお手伝いさんが来てた。 

それまでは一家三人で切り盛りしてたんだが、
客足がいま一つ伸びてなかった店だったのにだ。 
 

やっと人を雇う程余裕が出来たのかと嬉しくなって、にこやかに挨拶をして
いつもの席につき、おやじさんと世間話。でも、おやじさんが言うにはこの女性は
雇ってる訳ではなくて暇つぶしに手伝いに来てくれているだけとのことだった。 

翌週にもその女性は店にいた。 

俺「やっぱり雇ってるんじゃないの?」 

おやじさん「違う違う。今休職中だから気分転換に来てくれているのさ」 

俺「ふーん」 

以後、そのお手伝いさんを見ることは無くなった。 
別に何か会話をした訳でも無いし、2回しか見掛けてない。顔すら即座に忘れ去った。 

半年後、店でいつもの様に注文した蕎麦が出来上がるまでの間の世間話で、
恋人も居ないまま30を迎えようとする我が身を嘆いたら奇妙な事を尋ねられた。 

おやじさん「年上の女性は好きですか?」 

俺「上から下までなんでも来いです」 

実は俺に想いを寄せている女性が居ると言う。 
詳しく聞いてみると以前来ていたお手伝いさんだった。 

会話をした覚えもない、顔すら覚えていない相手に蕎麦食ってるだけで惚れられた。 
( ゚д゚)ポカ-ン ←ほんとにこんな感じになった。 

女性の年齢は37、俺は29。 
でも女日照りに耐え兼ねていたのでおやじさんの紹介に飛びついた。 


436 蕎麦 2 sage 2011/12/09(金) 18:05:44.40 
お手伝いさんだった女性を以後花子とする。 

蕎麦屋のおやじさんの仲介で連絡先をやり取りした俺は早速デートの約束を取り付ける。 
日曜の夕方、待ち合わせ場所に来た花子を見た俺の感想は 

「こんな顔してる女だったのか」 

だった。

AV女優で言えば妃悠愛がストライクど真ん中の俺にとってはボールとしか言えない顔立ちだった。 
目がくぼみ、頬がこけ、吹き出物の跡が大量にある。まぁそれでも女に飢えまくっていたので
飯の後の車の中で交際を持ち掛けてOKを貰い、夜にはホテルに連れ込んだのだが。 


437 蕎麦 3 sage 2011/12/09(金) 18:09:01.27 
さて付き合い始めて花子の事をいろいろと教えてもらった。 

花子は聾唖者の介護老人ホーム勤務だったのだが、20年近く働く内に
仕事のストレスに押し潰され、鬱病になってしまっていた。 
まともに働けなくなり仕事を休職、自宅に閉じこもっていた時に
親友(同僚だった)の親が経営する蕎麦屋の手伝いに誘われ、言われるままに顔を出していた。 

そんなときに俺が客としてやってきた。 

花子にとって俺は人当たりがよくて真面目そう、年も同じくらいに見えていたそうな。 
お手伝いをやめて職場復帰と再休職を繰り返していたときも店で俺を見掛けたときは
ずーっと眺めていたと、後に蕎麦屋のおばさんが話していた。 


439 蕎麦 4 終わり sage 2011/12/09(金) 18:11:35.65 
11月に交際をスタートさせた俺達は翌年4月に結婚した。 
花子の年齢が子供を作るのにギリギリだったからだ。
経産婦ならまだしも、初産で37はキツイ。
これ以上歳をとる前に子供を作らねばならなかった。 

予定では俺の誕生日である5月に入籍のはずで、指輪の裏側に刻んだ日付も
そうなっていた・・・のだが、実際には上記のとおり早めに籍を入れた。 

職場のストレスに耐えられなくなって手首を切った(初めてのことだった)花子を
3月に退職させたため、俺の扶養に入れて年金の負担を無くす為だった。 

結婚記念日は4月1日。
エイプリルフールだねと言うと嫌がられるが、忘れにくい日ではある。 
5月の末には身内だけで式を挙げ、6月半ばに妊娠が判明。
同僚には進展が早過ぎると笑われた。 

今は花子は専業主婦になり、お腹の子供が生まれるのを楽しみにしている。 
鬱病のせいで食欲が無く、米の飯が食えなかったのもすっかり治って
モリモリと俺よりも良く食べる様になった。 

貧乏所帯なのさえ気にしなければ幸せな夫婦生活を営んでる。 



アイアムアヒーロー 8 / 花沢健吾 

 

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