あなたの心がなごむとき~第64章
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750 なごむ sage 2011/11/06(日) 01:44:58.08 ID:Y4gj8KZU0
祖父が亡くなった後、遺品整理の為に祖父宅へ行った。
ぼちぼち整理してたら、祖父宅に着いた途端に
「俺たち二階見てくるから」
と早々に二階に上がった父と伯父の爆笑が聞こえた。
何かと思って行ってみたら、AVが大量に入った段ボール箱を前に
二人が笑い転げていた。
父と伯父、実は生前の祖父から
「これはここだけの話だ。家の二階の押し入れの奥、板を外すと裏に空間がある。
そこに俺の隠し財産がある。他の親族にバレたら相続で揉めるから、
お前達だけでコッソリ取って半分づつ分けろ」
と真剣な顔で言われていたらしい。
祖父は昔っから、「母ちゃん(祖母)は由美かおるに似てる」と言って祖母が
喜んだ所で「目が二つある所とかそっくりだ」と言い放ったり、
「茄子を食うと頭が良くなるんだ。俺はもう充分賢いからお前食え」と
自分の皿の茄子を私の皿に放り込んだり(祖父が茄子嫌いなだけ。
父と伯父は「茄子を食うと美男になる、俺はもう充分美男だから」と
同じ事をされたらしい)、幼少の私の前で入れ歯を外し、「大人は歯の
取り外しが出来るんだ」と大嘘ぶっこいたりする適当ジジイだった。
冷静に考えりゃ隠し財産なんていつもの
くだらない嘘だと気付きそうなものだが、父も伯父も
「まさか余命宣告された直後に……今回ばかりは本気だと思って期待したのに!」
と笑いながら少々悔しがっていた。
AV箱には「どっきり」と書かれたメモまで入っていた。
もうすぐ三回忌だが、お盆とかの度に過去の適当っぷりと
隠し財産事件が話題に上がり、誰一人としてしんみりしない。
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