母親との思い出
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521 名前: 大人になった名無しさん [sage] 投稿日: 2009/04/14(火) 19:42:54
母ちゃんとの思い出か。

幼稚園くらいの時かな。
兄ちゃんがいなかったから幼稚園を卒園してちょっと長い春休みを過ごしていた頃かもしれない。
その日は良く晴れた日で、部屋に差し込む日差しがすごく暖かかった。
 

 
 
母ちゃんが私と遊ぶと言う事はあまり無かった。
自営業だったので家にいても仕事があって、さらに家事で忙しかったし、
何より私は赤ん坊の頃から一人で遊ぶような子だったから母ちゃんは
私から目を離す事はしなくとも私に積極的に構うような人ではなかった。

だけれど、その日は私は玩具の縦笛を持って母ちゃんの所へ行ったんだ。

「ママ、わたし、ふえをふけるようになったんだよ」

そう言って、家の中で一番日の当たる場所に二人で並んで、ぴーぴーと笛を鳴らしていた。

自分では吹けているつもりだったんだろうけれど、今にして思えば
指で押さえてもいないし、リズムもめちゃくちゃだったろう。
でも、母ちゃんは「良く出来たね、上手いね」って褒めてくれた。
嬉しくてその日は母ちゃんが夕飯の支度に取り掛かるまでずっと母ちゃんの側で笛を吹いていた。

もう20年以上昔の話だけれども、母ちゃんがすごくすごく笑顔でいてくれたのを覚えている。


522 名前: 521 [sage] 投稿日: 2009/04/14(火) 19:59:13
結婚して、母になろうとしている今、
母ちゃんがどうしてこんなに笑顔になってくれたのか解る。

生まれてくる子が、私に甘えて来てくれることを思うと、
今からでも幸せな気分になれる。

本当はもっと甘えて欲しかったんだよね、母ちゃん。
ごめんね、兄ちゃんがいつも母ちゃんといたから、
私は一人でいる方が母ちゃんにとって幸せなんだって思ってたんだ。

母ちゃんは、私が一人で遊ぶ事が好きなんだって思って、
遊びたいのに遊べなかったんだよね、きっと。

母ちゃん、もうすぐ子供が生まれるから、そうしたらいっぱい遊ばせてあげるから。

もうすぐばあちゃんって呼ばれるね、っていったら少し複雑な表情をして
「あんただってすぐそう呼ばれるようになるのよ」って言った母ちゃんの笑顔は
あの日と全く変わってなかったよ。
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